ココットはオーブン調理などに使うことができる耐熱性のお皿または鍋です。聞いたことはあるけど、何に使うのだろう?と疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。本記事ではココットについて詳しく解説します。
ココット(cocotte)は、オーブン調理などに使うことができる耐熱性のお皿または鍋です。また、ココットを用いた料理全般を指すこともあります。
一般的にはココット皿と呼ばれる直径5~10cm程度、高さ5cm程の円形の小型耐熱容器を指すことが多いですが、ハート型のものなど形や大きさ、カラーは様々あり、材質は陶器またはガラスです。スフレを作るときに使われることが多いことから「スフレ皿」「スフレ型」「スフレカップ」と呼ばれることもあります。
鍋は、蓋がついた厚手の両手鍋を指すことが多いです。鋳物の鍋で直火で加熱することができる他、オーブンに入れて加熱することもできます。
最近では、リンナイ株式会社が販売している焼き物料理に適したグリル専用調理器「ココットプレート」などもあります。
ココットは、フランス語で「鍋」を意味します。そのため、フランスではココットといえば鋳物の蓋付き鍋を指します。
フランスでは古くから鋳物の鍋を使って煮込み料理をするのが一般的でした。この鋳物の鍋がココットであり、20世紀初頭に北米へ渡り、ジビエなどの固い肉を野菜を使った煮込んだものに米などの主食を混ぜてオーブンで焼く「キャセロール」と呼ばれる料理が誕生したといわれています。そのため「キャセロール鍋」ともいわれます。そこからお皿などができ、加熱可能の万能調理容器として広く使われるようになりました。
ちなみにフランスではココット皿は「ラメキン」または「ラムカン」といいます。
ココットは上述した通り、耐熱性があるので加熱調理をするときに使います。お皿や鍋やココットプレートがありますが、本記事では日本で一般的に使われることが多いココット皿の使い方を紹介します。
ココット皿は具材を入れて加熱調理をし暖かいままおかずとして、冷やしてデザートとして召し上がることができます。
ココット皿は卵を使った加熱調理に使われることが多く、中でも定番なのはチーズ焼きです。ココット皿にバターを塗り、ほうれん草やベーコンなどのお好みの具材を入れたら牛乳を加え、真ん中に卵を割り入れて最後チーズを乗せてオーブントースターで焼きます。様々なアレンジが可能で、手軽に作れる一品です。
キッシュとは卵や生クリーム、チーズ、ベーコン、野菜などを混ぜた卵液をパイ生地やタルト生地の中に流し入れてオーブンで焼いたフランス料理です。
キッシュといえば家庭で作るのは難しいというイメージがある方も多いかと思いますが、ココット皿に野菜などの具材を入れて、卵と生クリームを混ぜた液体を流し込み、チーズを乗せてやくだけで簡単に作ることができます。
ココット皿を使ってグラタンを作ることもできます。ただし、グラタンを作るときに使われるグラタン皿の一般的な耐熱温度が250℃であるのに対して、ガラス性のココット皿の場合は耐熱温度が200℃と低いことがあるので、ガラス性のココット皿を作る際は注意が必要です。
グラタンを作るときは、鶏肉や玉ねぎなどのお好みの具材をバターで炒めた後にココット皿に入れ、ホワイトソースをかけた後にチーズを乗せてオーブンやトースターで焼きます。グラタンも豆乳グラタンや豆腐グラタンなどココット皿を使ったグラタンアレンジも人気があります。
シンプルに肉や野菜を入れてオーブンやトースターに入れて加熱し、グリル風に調理をすることも可能です。フライパンで焼くよりも香ばしい風味を楽しむことができます。
ココット皿を使って肉類をグリル調理する場合は、レンジを使って予め加熱をしておくと火が通りやすくなります。野菜を沢山使えば手軽に栄養価の高いおかずになります。
ポットパイは、シチューなどが入った器の底面と上面を薄いパイ皮で完全に包んで焼いたパイです。
レストランなどで食べることが多いおしゃれな一品ですが、ココット皿と冷凍パイシートを使えば簡単に作ることができます。作り方は、ホワイトシチューなどをココット皿に入れて上から冷凍パイシートをかぶせ、オーブンやトースターで焼くだけです。寒い季節や、クリスマスディーナーなどおしゃれなおかずを並べたいときにおすすめです。
オーブンやトースターだけではなく、電子レンジを使った調理をすることもできます。ココット皿を使った電子レンジ調理には、例えばお好み焼きなどがあります。
ココット皿を使ってお好み焼きを作る場合は、溶き卵や長いも、小麦粉などを合わせた生地に千切りにしたキャベツや桜海老などのお好みの材料を入れて混ぜ合わせてココット皿に入れて、生地が固まるまで温めます。フライパンを使って焼くよりも作りやすく、腹持ちが良いため朝ごはんに人気です。
ココット皿は「スフレ皿」「スフレ型」と呼ばれることがあるように、スフレを作るときに使われることも多いです。
スフレとはメレンゲにさまざまな材料を加えてふっくら焼き上げた料理です。「スフレ」にはフランス語で「膨らんだ」という意味があり、「スフレチーズケーキ」など洋菓子が有名です。
スフレを作る場合は、卵や砂糖、サラダ油、ヨーグルト、薄力粉・ベーキングパウダーなどを混ぜ合わせた生地をココット皿に流し込み、生地が膨らむまでオーブンで焼きます。手軽ながらふわふわの食感のスフレを味わうことができます。
ココット皿を使って手作りプリンを作ることもできます。
プリンを作る場合は、牛乳を温めて卵やグラニュー糖、バニラエッセンスを加えて混ぜた液体をココットに注いだものを湯を張ったバットに並べてオーブンで焼きます。または、水を張ったフライパンに並べてフタをし、弱火で6~7分蒸すという作り方もあります。お子様のおやつ作りにもぴったりです。
ちなみに、加熱はしませんがココット皿を使ってムースを作ることもできます。
フォンダンショコラはフランス発祥のチョコレートケーキです。外はふわっとしていて、中からとろとろのチョコレートが溢れだしてくるのが特徴です。
ココット皿を使ってフォンダンショコラを作る場合は、耐熱のボウルなどに小さく砕いたチョコとバターまたはマーガリンを入れて温め溶かしたものに、卵と砂糖、ふるった小麦粉を混ぜ合わせた生地をココット皿に入れてオーブンで焼きます。焼きすぎると中まで火が通ってしまいチョコレートがトロっと出てこなくなってしまうので注意が必要です。
ココットは、日用品を多く取り扱うニトリやKEYUCAなどで購入することができます。
値段はメーカーや大きさなどによって異なりますが、ニトリでは直径10cmの円形のココット皿は149円、16cm鍋は3,232円で販売されています。
最近では100円ショップのダイソーやセリア、300円均一の3COINSなどでも販売されています。ただし、100円ショップなどで販売されているのはココット皿です。鍋は販売していません。
様々な形や色のココットがあるので、好みのココットを選んで購入したいという方はAmazonや楽天などの通販の利用がおすすめです。
TAMAKIは、丸利玉樹利喜蔵商店が手掛けるテーブルウエア、 インテリア用品を取り扱うメーカーです。
TAMAKIが販売しているのは、一般的なココット皿の「ボニー」とカップ状の「フォルテモア」の2種類です。カップ状のフォルテモアは、軽量強化磁器製で軽量でありながら割れにくいと人気があります。積み重ねることができるので、複数個そろえたいときにも収納に困りません。
cottaは、主に製菓・製パン材料の製造・販売しているメーカーです。
cottaが販売しているのは円形のココット皿で、直径60mm×高さ35mm~直径89mm×高さ51mmの合計7種類あります。スフレやフォンダンショコラなど焼き菓子を作るときに使われることが多いです。
ル・クルーゼは、鍋などキッチンウェアの製造・販売をしているフランスのメーカーです。
フランスのル・クルーゼ社が作る特殊な複数層ホーロー加工の鍋などが人気商品で、ココット皿も販売しています。ル・クルーゼのココットはカラーバリエーションが豊富で、ハート型のものなど使い勝手の良さだけではなく可愛らしい見た目であるため、結婚祝いなどのプレゼントに選ばれることも多いです。
STAUB(ストウブ)は、調理器具の製造・販売をしているフランスのメーカーです。
ストウブ社の製品では、特に黒い厚手の鍋「ピコ・ココット」が有名です。蓋の裏に付いているピコと呼ばれる部分が、素材から出る蒸気を水滴化することで、食材をふっくらしっとり仕上げることができるという特徴があり、鍋はル・クルーゼと並んで非常に人気があります。
ストウブといえば鍋のイメージが強い方も多いかと思いますが、鍋だけではなく「ミニココット」といわれるココット皿の取り扱いもあります。
グラタン皿は、主にグラタンを作るときに使う耐熱性のある器です。
グラタン皿はココットと同じく耐熱性があり、オーブンなどの加熱調理をするときに使うことができるためココットの代用品になります。ただし、グラタン皿は深さがなく平たいタイプや大人数でも取り分けて食べられるように大きなものまで様々あります。深さが足りなかったり、大きすぎてしまうとうまく作ることができないこともあるので注意が必要です。ココットの代用品にするのであれば、深さがあり小さめのものが良いでしょう。
シリコンカップは、シリコン製のカップです。お弁当におかずを詰めるときに使う小さなものをはじめ、様々な大きさがあり、形も四角や丸型など多くの種類があります。
シリコンカップも耐熱性があるため、ココットの代用品になります。特にココットの代用品としてマフィンなどの焼き菓子を作ったり、グラタンを作るときに使われることが多いです。ただし、シリコンカップも耐熱温度がおよそ200℃と陶器のココットよりも低いため、温度には注意が必要です。
土鍋は、土を原料に作られた日本製の陶器製鍋です。
土鍋は煮る・炊く・蒸すなどの加熱調理をする際のココットの代用品になります。原料が土であるため鋳物ホーローでできているココットのようにオーブン調理をすることはできません。また、土鍋は温度変化に弱く急激に冷やしたりすると割れてしまうことがあるので注意してください。
値段でいえば土鍋のほうが比較安価で購入することができますが、ココットのほうが使用用途が広いといえます。
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